About the event
ニブロール主宰・振付家の矢内原美邦が、これまでニブロールで行ってきた「集団創作」ではなく、矢内原個人の完全ディレクションのもと、「新しいダンス」の方法を模索した作品。ニブロール結成から12年間にわたりダンス作品を創り続けてきた矢内原が、近年試みてきた「ダンス」への挑戦から、さらに一歩踏み込み、いわゆる「ダンス」の定義から逃れ、「新しいダンス」を提示した。
【レビュー 朝日新聞 (2010.3.16)】 ※一部抜粋
近親者の不慮の死が、残された者の心に深い闇を広げていく。死に囚われた人生を描く深遠にして秀逸な舞台だ。
これまで「ニブロール」では、集団創作によりダンス、映像、音楽、衣装などの要素がエネルギッシュに拮抗する過剰なタッチの創作だった。振付けもあえて既存のテクニックにはないハードな生硬さを追求してきた。そこに若者的な身体感覚や現代のリアルが認められると評価された。
しかし、矢内原個人の完全ディレクションである今作では、スキルの高い若手ダンサーのポテンシャルをストレートに活かし、振り付けも効果的で洗練されている。なにより矢内原のナイーブな感性と思慮深い世界観が端的に表れており、新たなステップへの脱皮を感じさせる。堤広志・舞台評論家