まるっとみんなで映画祭2023

- CATEGORY
- イベント形態|トーク・シンポジウム, パフォーマンス, フェスティバル, ライブ, ワークショップ, 参加型
- precogの業務|イベント制作, バリアフリー, 教育普及, 人材育成, 地域活性
- 表現分野|映像, 演劇, 美術, 音楽
- 開催年|2023
プロジェクト概要
株式会社precogが事務局運営を担当し、まるっとみんなで映画祭実行委員会を中心に企画制作した「まるっとみんなで映画祭2023」は、大人も子どもも、障害のある人もない人も、日本語が母語でない人も、地域の人々がみんなで集う場をつくるユニバーサルな映画祭です。2023年はまちづくりの視点を取り入れながら市民とつくる映画祭として那須と、軽井沢の2つの地域で開催しました。
◼︎precogの業務
イベント制作、鑑賞サポート・客席設計、ワークショップ、人材育成、地域芸術祭、コミュニケーションデザイン・広報PR
◼︎プロジェクト期間
2022年9月〜2024年2月
◼︎プロジェクト体制
まるっとみんなで映画祭2023 in NASU
『うたのはじまり』上映会・無料上映
主催:まるっとみんなで映画祭実行委員会、那須塩原市ART369プロジェクト
『LISTEN』上映会
主催:まるっとみんなで映画祭実行委員会、特定非営利活動法人 那須フロンティア
事務局:株式会社precog
まるっとみんなで映画祭2023 in KARUIZAWA
主催:まるっとみんなで映画祭実行委員会、まるっとみんなで準備室
事務局・運営:株式会社precog、まるっとみんなの調査団
◼︎関連リンク
まるっとみんなで映画祭2023:https://theatreforall.net/marutto-minnade-23/
まるっとみんなで映画祭2023 in NASU:https://theatreforall.net/nasu-screening-23/
まるっとみんなで映画祭2023 in KARUIZAWA:https://theatreforall.net/karuizawa-screening-23/
イベント概要
2021年から始まり、3年目となる今回も地域の人々がみんなで集う場をつくるユニバーサルな映画祭を目指し、映画祭に先がけてそれぞれの地域で勉強会やリサーチなどを実施。那須では2会場3作品の上映とワークショップを、軽井沢では4日間にわたり2会場で14作品の上映、3つのイベント、1つのライブ、1つのシンポジウムを開催しました。
プロセス
■まちづくりの視点を取り入れた市民とつくる映画祭へ
「まるっとみんなで映画祭」は2021年にスタートし、ドライブインシアターやオンライン配信などの取り組みを交えながら、コロナ禍でも多くの人が楽しめる映画祭を開催してきました。2023年の映画祭ではこれまでの成果を活かしつつ、開催地域の人々とのより積極的な連携を進め、まちづくりの視点を取り入れた市民とつくる映画祭を実現するべく、那須・軽井沢の2地域での開催を企画しました。
■映画祭開催に向けた勉強会やリサーチなどの実施、地域の人々との連携
ユニバーサルな映画祭を実現するためには必要な知見の共有や、障害がある方に安心してご来場いただくための体制づくりなど、事前の準備や地域の人々との連携が重要です。
那須では11月の映画祭の開催に先がけ、9月に「みんなでつくるユニバーサル上映会 アート×まちづくり×ソーシャルインクルージョンについて考える1日」と題した勉強会を実施。上映会のテーマに沿って、主に聴覚障害に関する理解を深めながら、それ以外にも視覚障害がある方や、車椅子を利用するお客様が上映会を楽しんでいただけるようにするにはどうすればいいかを考えました。他にも話し言葉によるコミュニケーションにバリアのある方々(例えば知的障害や自閉症の方、外国語話者の方、聴覚障害の方)とイラストを使って指差しで対話するためのコミュニケーションボードをつくるワークショップ、様々なお客様を迎え入れるときや日々の暮らしのなかで気になることを地域の福祉とアートの関連事業者に聞ける相談室を実施しました。
一方、今年が初めての開催となった軽井沢では2022年9月から市民を中心とした「まるっとみんなの調査団」の活動をスタート。軽井沢・上田・小諸・安曇野・東京などの高校生〜70代のシニアまで幅広い世代が15名が参加し、メンバーは2022年のリサーチ・企画立案を経て、2023年の映画祭の企画・運営・広報に携わりました。
映画祭の前週にはボランティアスタッフや協賛団体、軽井沢町ボランティアセンター登録者を対象としたバリアフリー研修会を、軽井沢町社会福祉協議会と共催で実施。2024年4月から民間事業者も義務化となった「合理的配慮の提供」や、実際に当事者に接する際の意識やサポートなどについて学習する機会を設け、映画祭に向けた体制を整えました。
加えて、障害当事者が参加しやすい映画祭を実現するため、社会福祉法人育護会 浅間学園や、社会福祉法人愛泉会 軽井沢治育園、NPO法人リベルテなど、地域の福祉事業者と連携し、プレイベントとして「劇場をつくるラボ」による「音で遊べるワークショップ型上映会」も実施。あらかじめイベントの雰囲気やイベント運営の体制を知ってもらうことで映画祭当日の来場へとつなげました。
那須・軽井沢いずれも、地域住民はもちろん、行政職員や地元企業、福祉施設など、地域の様々な人々と連携し、協力や支援を得ることで映画祭は実現しています。
<那須での勉強会の様子>
<軽井沢でのバリアフリー研修会の様子 (撮影:|+|=| STICK AND LADDER S.A.)>
<プレイベント「音で遊べるワークショップ型上映会」の様子 (撮影:|+|=| STICK AND LADDER S.A.)>
■地域の人々に開かれたイベント運営
調査団での活動や事前の研修会などを経て、映画祭当日は多くの地域の人々が運営に参加しました。
那須では就労支援事業所 喫茶店ホリデーに加え、地元の人々や観光客にも親しまれているSHOZO CAFEの焙煎所を一日限りの映画館として会場にしました。無料上映とワークショップはコーヒー片手に参加することも可能な場とし、通りがかった人も気軽に参加できる、誰もが楽しめる映画祭を目指しました。
軽井沢では町の協力を得て軽井沢町中央公民館をメイン会場に、軽井沢から100年の歴史を持つ上田映劇までバスで移動する「遠足上映会」も合わせて開催。ドラァグクイーンによる読み聞かせや感想シェア会、参加無料で入退場自由のDJパーティ、音遊びの会による飛び入り参加可能なライブパフォーマンスなどの多様なイベントを実施し、訪れた人が様々なかたちで参加できる映画祭のプログラムを実現しました。
<那須 SHOZO CAFEでの無料上映とワークショップの様子 (撮影:加藤拓未)>
<那須 喫茶店ホリデーでの上映会の様子 (撮影:加藤拓未)>
<軽井沢での遠足上映会の様子 (撮影:|+|=| STICK AND LADDER S.A.)>
成果
■アートで地域を盛り上げる「那須塩原市ART369プロジェクト」との継続連携による那須での2年連続開催
那須では、那須塩原市の黒磯駅周辺から板室温泉までの板室街道(県道369号)沿いの地域をアートで盛り上げる「那須塩原市ART369プロジェクト」との連携を継続することで、2年目の「まるっとみんなで映画祭」を開催することができました。
■行政の理解・協力のもと軽井沢初のユニバーサル上映会を実現
軽井沢では今回、町では初めてのユニバーサル上映会として「まるっとみんなで映画祭」の開催が実現しました。「誰ひとり取り残さない町」を目指す軽井沢町行政との連携は、映画祭の目的やイメージを共有するところからスタート。町の様々な課や教育委員会、社会福祉協議会などを跨いで、連携・調整を重ねながら町との協力体制を構築していきました。今後も継続的な開催を目指して活動を続けていきます。
■地域スタッフを主体とした企画や運営
「まるっとみんなで映画祭」は地域の人々が主体的に関わる形で開催していくことを大切にしています。
2年目の開催となった那須では昨年度から続けて関わってくださる方も多く、継続的な開催によってより密な協力関係や主体的な参加が実現しました。一方、映画祭に先がけて開催した勉強会では、栃木県聴覚障害者協会の事務局長にもご登壇いただき、地域内での交流を促進するとともに、勉強会を通じて新たに映画祭の運営に携わってくださる地域の方との出会いもありました。
初めての開催となった軽井沢では地域の人々を主体とした「まるっとみんなの調査団」発案の企画としてLGBTQ関連作品の特集上映や自主制作の『ドキュメント軽井沢』の上映会が実現。調査団は会場の選定やプログラムの策定、地域広報にも関わり、ボランティアスタッフとともに映画祭当日の運営にも携わり、世代や地域を越えた交流を生みました。
■共生社会の実現に向けた行政・企業・福祉施設などとの地域ネットワークの構築
地域の人々の主体的な参加に加え、行政、企業、福祉施設など、地域の支援者との連携が実現したことで、映画祭を通して共生社会の実現に向けた地域ネットワークの構築を進めることができました。
那須では那須塩原市ART369プロジェクトに加え、会場の一つでもある就労支援事業所 喫茶店ホリデーを運営する特定非営利法人那須フロンティアとも上映会の主催団体の一つとして連携しています。
軽井沢では町の協力、多くの地元企業・団体の協賛に加え、送迎バスの運行(SC軽井沢クラブ)や参加アーティストへの宿泊場所の提供(音楽ロッジゆうげん荘)、新聞への折込(藤城新聞店)など様々な形での映画祭へのご協力をいただきました。
ギャラリー
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<那須> 撮影:加藤拓未 -
<那須> 撮影:加藤拓未 -
<那須> 撮影:加藤拓未 -
<那須> 撮影:加藤拓未 -
<那須> 撮影:加藤拓未 -
<那須> 撮影:加藤拓未 -
<軽井沢> 撮影:|+|=| STICK AND LADDER S.A. -
<軽井沢> 撮影:|+|=| STICK AND LADDER S.A. -
<軽井沢> 撮影:|+|=| STICK AND LADDER S.A. -
<軽井沢> 撮影:|+|=| STICK AND LADDER S.A. -
<軽井沢> 撮影:|+|=| STICK AND LADDER S.A. -
<軽井沢> 撮影:|+|=| STICK AND LADDER S.A. -
<軽井沢> 撮影:|+|=| STICK AND LADDER S.A. -
<軽井沢> 撮影:|+|=| STICK AND LADDER S.A.
広報制作物
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メインビジュアル
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「まるっとみんなで映画祭2023 in NASU」メインビジュアル
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「まるっとみんなで映画祭2023 in KARUIZAWA」メインビジュアル
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那須で行われた勉強会「みんなでつくるユニバーサル上映会 アート×まちづくり×ソーシャルインクルージョンについて考える1日」チラシ
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「まるっとみんなで映画祭2023 in NASU」チラシ(表)
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「まるっとみんなで映画祭2023 in NASU」チラシ(裏)
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「まるっとみんなで映画祭2023 in KARUIZAWA」チラシ(表)
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「まるっとみんなで映画祭2023 in KARUIZAWA」チラシ(裏)
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「まるっとみんなで映画祭2023 in KARUIZAWA」ピアックアップチラシ(表)
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「まるっとみんなで映画祭2023 in KARUIZAWA」ピアックアップチラシ(裏)
メディア掲載情報
関連プロジェクト
クレジット
【まるっとみんなで映画祭 in NASU】
主催:
『うたのはじまり』上映会・無料上映
まるっとみんなで映画祭実行委員会、那須塩原市ART369プロジェクト
『LISTEN』上映会
まるっとみんなで映画祭実行委員会、特定非営利活動法人 那須フロンティア
協力:SHOZO CAFE、認定特定非営利活動法人 もうひとつの美術館 、北風と太陽(社会福祉法人 太陽の里福祉会)
助成:芸術文化振興基金
企画・運営:樋爪克至(那須塩原市ART369プロジェクト)、豊田彩乃(那須塩原市ART369プロジェクト)、金森香(まるっとみんなで映画祭実行委員会)、
アドバイザー・企画協力:徳江さやか(NPO法人メディア・アクセス・サポートセンター)、一般社団法人栃木県聴覚障害者協会、中田芳幸(みらい・ともに・すすむ)
事務局:株式会社precog
【まるっとみんなで映画祭 in KARUIZAWA】
主催:まるっとみんなで映画祭実行委員会、まるっとみんなで準備室
連携:かるいざわ ざわざわ 2023、劇場をつくるラボ(一般社団法人DRIFTERS INTERNATIONAL)、うえだ子どもシネマクラブ(上田映劇)
名誉顧問:土屋三千夫
統括プロデュース:中村茜
ディレクション:金森香、大久保玲子(以上THEATER for ALL・株式会社precog)
企画チーム:石巻顕、島田葵、高橋ありす、たけなかあいこ、眞木美津恵、御園若菜、Niko Carter、 Mora Ortiz(以上、まるっとみんなの調査団)
事務局・運営:田澤瑞季、星野麻子(以上株式会社precog)、まるっとみんなの調査団
技術コーディネート:土屋光、一般社団法人 催事技術、有限会社 長野映研
協力:Matthew Christensen、荒木武貴、福嶋誠、赤井信夫、唐川恵美子、稲葉俊郎、坂井雄貴、小山裕嗣、小出恵、中村文寧、|+|=| STICK AND LADDER S.A.、輕井澤二十四節氣、軽井沢ひまわり、社会福祉法人育護会 浅間学園、NPO法人リベルテ、犀の角/一般社団法人シアター&アーツうえだ、別府短編映画祭、社会福祉法人愛泉会 軽井沢治育園、軽井沢町社会福祉協議会 地域活動支援センター、konst(コンスト)
文字デザイン:美山有
ロゴデザイン:いすたえこ
チラシデザイン:山口知香
記録映像・写真:村上邦久、たけなかあいこ
記事執筆:座光寺るい、渡辺瑞穂
クラウドファンディング支援者:立石従寛、武井麻里子、木田弥、たけなかあいこ、Michiko TANAKA、音遊びの会 飯山ゆい、金子なおか、佐藤清美
ボランティアスタッフ:安藤ゆきの、上原友香、塚越紗衣、利根川真依、長嶺健太、前田優恵、三浦 淳子、山川文代、山田満未子、渡辺瑞穂
協賛・協力:SC軽井沢クラブ 軽井沢こども未来基金、有限会社きたもっく、Eton House、あらき酒店、由井寿機、音楽ロッジゆうげん荘、藤城新聞店、ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン、まきはうす
助成:芸術文化振興基金、信州eye基金
支援:信州アーツカウンシル(一般財団法人長野県文化振興事業団)
令和5年度文化庁文化芸術創造拠点形成事業
後援:軽井沢町、軽井沢町教育委員会、軽井沢町社会福祉協議会、長野県教育委員会、御代田町教育委員会、小諸市教育委員会