ボクデス座談会 01/06

参加者:
工藤キキ(アートライター)
三田格(ライター)
桜井圭介(吾妻橋ダンスクロッシングオーガナイザー/音楽家/ダンス批評家)
奥野将徳(企画・制作)

2009年2月14日(土) ルノアール 新宿区役所横支店にて

奥野将徳(以下、奥野) 今日はお忙しい中お集り頂きありがとうございます。今日、みなさんにお集り頂いたのは、3月19日、20日に六本木のスーパーデラックスにて行われるボクデス初の単独公演に向けて、音楽や美術やダンスなどさまざまな切り口でボクデスについてざっくばらんに語り合って頂きたいな、と思いまして。

桜井圭介(以下、桜井) えーと、僕は今回プロデュース側なんで立場が微妙なんですけど、「美術」の側から、「音楽」の側から、ボクデス、どうなのか?意見を頂ければな、ということなんですね。まず「ダンス」の側として言うと、どうもボクデスはダンス業界からシカトされてる、みたいな状況があったりもして、だからこそ今回「やる!」んだけど。

工藤キキ(以下、工藤) あらま。それは、なんでですか?

桜井 まあかれこれ10年もやってるから、トヨタコレオグラフィーアワードの最終選考にノミネートされたし、フランスの旧バニョレ振付コンクールでも(出演者としてとして)ナショナル協議員賞を取ったり、フィリップ・ドゥクフレのカンパニーに参加してヨーロッパツアーをやったりとか、そこそこダンス界でのキャリアはあるんだけど、なんていうか、結局のところの扱いがイロモノというかね。

工藤 イロモノじゃないといったら、あれですが……

桜井 やっぱり、コンテンポラリーダンスのある種「正統」みたいなとこからは、ズレてるわけで。

三田格(以下、三田) そういう位置づけみたいなものとか何にも分からず、最初に桜井さんに色んなダンスのDVDを見せてもらった時に、目についたアーティストの一人だったから。面白かったんですよ。

桜井 どのあたりが面白かったんでしょう?

三田 全体見た印象の中でいうとようするに一番不自然だったというのが印象に残っているから。「(ボクデス&)チーム眼鏡」のやつを最初に見たんだけど、急に不自然だからね、他の人の流れでみると。そこにひっかかりがあったというか。

桜井 その「不自然」というのはどういう感じなんですか?

三田 何にも知らずに見始めているから、なんていうんですかね…
流麗な動きをするという踊りに対して思い込みがある部分からいうと、完全にギクシャクとしていて「え、こんなのもあるのか」という部分でまず入って来ているから、良いのか悪いかの前に、まず目に止まった、という部分はありますよね。なんか、でも。桜井さんが貸してくれたDVD、ちゃんとアーティスト別に並んでなくてめちゃくちゃくに入ってたじゃないですか(笑)

桜井 いやー、あのときはとにかく三田さんに見せたいダンスを全部、って感じでやってたら、ああなっちゃったんですよ。ダビングしてる途中で「あ、あれもあったな」って思いついちゃうから(笑)。

三田 時々出てくるから(笑)。山賀ざくろさんとかはなめらかな方向で不思議と魅かれる動きだったりするんだけど、何回出てきてもボクデスは、こう、ガッチンガチンだからね(笑)まぁ、こういう方法論もあるのか、というのも初めて観ながら認識して、みたいな。とにかく一発で見て忘れられなくなったことは確かで。

桜井 キキさん、いかがでしょうか?

三田 あ、もうちょっとひろげてもいい?

工藤 うん、じゃあひろげましょう

三田 あのー、ずっと00年代のキーワードは「不自然」だと思ってたの、前からね。

桜井 なるほど。

三田 で、このきっかけは97年に「モーニング娘。」の「抱いてホールドオンミー」を聞いたときに、全然音楽と感情が一致してないそのロボット的な雰囲気っていうのが、それまでの90年代のもっとエモーショナルだった音楽のシーンの中で急にちがってみえた、っていうので気になってた、っていうのがあるんだけど。で、奇しくもその時に同じ97年にでてきた「DAFT PUNK」があるけど、もうひっついて今「Perfume」、みたいな流れが完全にできてると思うのよ。それから99年くらいにたしかえーっと、村上さんのえーっとなんだっけ??

工藤 「スーパー・フラット」?

三田 やっぱあれもその人工性をすごくプッシュして売り出してるのが変化ってゆう感じがしてたんで、頭の中で「不自然」なものってゆうのが気になってたってゆうのはあって。で、まあボクデスと出会ったのは僕は遅かったけど、その流れのなかの一つとして意識していて。どっちかっていうと滑らかな動きにみとれるっていうのも性格的にはあるけど、時代のものとしてはボクデスの方がひっかかってきたし、逆に言うとそろそろ「Perfume」の終わりくらいで、「不自然さ」とか「人工性」に対する面白みが終わるんじゃないかと思ってるわけ。だからボクデスもそろそろ危ないぞみたいな。(笑)

一同 笑

三田 スタイルを変えてくか…
ただ、表面的にボクデスはそうみえるけど、本人はあのー、あれじゃない??必ずしも人工的にやろうっていうよりは、なってしまってるっていう意味での逆説的な自然さもあるのかもしれないんで、まだポテンシャルはあるのかもしれない。ちょっとそこはまだまだわかんないですね。

桜井 本人的は「不自然=人工性」みたいに明確なコンセプトとして掲げてる感じではないかもしれないですね。

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