バリアフリーの知見を活かした公共劇場プログラムの企画協力

KAATフレンドシッププログラム/YPAM連携プログラム 手話付き タイ語アニメーション「hesheit」

  • CATEGORY
  • イベント形態|フェスティバル
  • precogの業務|イベント制作, バリアフリー
  • 表現分野|映像
  • 開催年|2021

プロジェクト概要

KAAT神奈川芸術劇場が、街の一部である劇場、街に飛び出す劇場、またあらゆる人々に「ひらかれた」劇場を目指し、外を歩く人々からも中を見渡せるKAATのアトリウムを会場として開催している「KAATフレンドシッププログラム」。その中の1つのプロジェクトをprecogが企画協力し、当社が運営するバリアフリー型オンライン劇場「THEATRE for ALL」で公開されている手話付きタイ語アニメーション「hesheit」の上映会を行いました。

◼︎precogの業務
企画協力
◼︎プロジェクト期間
2021年12月17日(金)、18日(土)
◼︎プロジェクト体制
企画製作・主催:KAAT神奈川芸術劇場 (公財)神奈川芸術文化財団 社会連携ポータル課
企画協力:THEATRE for ALL(株式会社precog)
協力:YPAM2021 実行委員会
◼︎関連リンク
公式サイト(KAAT神奈川芸術劇場):https://www.kaat.jp/d/hesheit

開催概要

日時:2021年12月17日(金)、18日(土)
会場:KAAT神奈川芸術劇場 アトリウム

アクセシビリティ:タイ語音声+手話動画+バリアフリー日本語字幕
*音情報は字幕表示のほか、手話通訳者の下に波形のかたちでも表示

「hesheit」はタムくんの愛称で知られるバンコク出身のアーティスト、ウィスット・ポンニミットが自身のマンガ作品を自らの手でアニメ化した作品。ウィスット初期の魅力が詰まったアニメーション集です。だれの身にも起こりそうな出来事を、ギャグマンガ的な作風で描きながら、スタイリッシュで、ときに哲学的な味つけをほどこしています。

プロセス

■バリアフリー動画配信プラットフォーム「THEATRE for ALL」が提案する上映会

KAAT神奈川芸術劇場と株式会社precogは、開館当初から岡田利規作品やニブロールなど複数の作品で協働してきました。指定管理者である公益財団法人神奈川芸術文化財団との意見交換をきっかけに、当社の新規事業「THEATRE for ALL」での配信プログラムの中から、バリアフリーに対応した動画の上映会を実施することになりました。precogは作品選定、コンテンツホルダーとの契約交渉と広報協力を行うことになりました。

■プロジェクトにあわせた作品を提案

THEATRE for ALLで配信しているコンテンツの中からプロジェクトに適した作品をいくつかご提案し、その中から「hesheit」が選定されました。タイ語のアニメーション画面に、アーティストが主体的に考案した独特のレイアウトの手話通訳動画や、音楽の起伏を表現する波形のサインも加えられた本作は、ノンバーバル(言葉がわからなくても楽しめる)な魅力もあるため、作品の途中からでも楽しむことができ、自由に出入りできるアトリウムで上映するという点でも適したものになりました。

 

成果

■芸術性の高いバリアフリーな映像作品で劇場を開く

プログラムのコンセプトや場所の特性をふまえ、当社のバリアフリーな映像作品に関する豊富な知識や配信ラインナップを活かして企画協力を行いました。公共劇場のアトリウムで、作品性の高い手話とバリアフリー日本語字幕つきのアニメーションを上映することで、劇場空間をより開かれた場にすることに寄与しました。

■視覚・聴覚の障害当事者に対して鑑賞のハードルを取り除く

文化芸術分野に関心の高い観客に対しては、アーティスト独自のアプローチによるバリアフリーの面白さや、作品を通じた共生社会に向けてのアプローチを知っていただく機会となりました。休憩を兼ねた年配者も鑑賞されていたりと、多様な方々にバリアフリー動画に触れていただく機会となり、あらゆる人々に「ひらかれた」劇場を目指すというプログラムのコンセプトを実現することができました。

ギャラリー

クレジット

企画製作・主催:KAAT神奈川芸術劇場 (公財)神奈川芸術文化財団 社会連携ポータル課
制作協力:THEATRE for ALL(株式会社precog)
協力:YPAM2021 実行委員会