THEATRE for ALL
- CATEGORY
- イベント形態|オンライン配信, トーク・シンポジウム, ワークショップ, 参加型
- precogの業務|配信事業, バリアフリー, 教育普及, 広報PR, スペース運用
- 表現分野|映像, 演劇, 美術, 音楽
- 開催年|2021
プロジェクト概要
令和2年の『文化庁収益力強化事業』に採択され、文化庁からの受託プロジェクトとしてはじまったTHEATRE for ALL。障害当事者やそのサポートをされる団体・個人へのリサーチやインタビューを重ね、世界初のアクセシビリティに特化したオンライン劇場を開設した。演劇、ダンス、映画、メディア芸術を中心とした作品映像の配信に加え、各作品をより理解し深く味わうためのラーニングプログラム開発、障害当事者をパートナーとしてリサーチやコミュニティ活動を行うTHEATRE for ALL LAB開設などを通じて、これまで劇場にアクセスしづらかった顧客層に対してアクセシビリティを高めていくためのしくみづくりを行ってきました。
◼︎precogの業務
作品のオンライン配信, バリアフリー対応, ワークショップ開発, 客席デザイン, 広報
◼︎プロジェクト期間
2020年9月〜
◼︎プロジェクト体制
企画制作:株式会社precog
◼︎関連リンク
【公式サイト】
THEATRE for ALL:https://theatreforall.net/
【SNS】
facebook:https://www.facebook.com/THEATREforALLproject/
Twitter:https://twitter.com/THEATRE_for_ALL
Instgram:https://www.instagram.com/theatre_for_all/
note:https://note.com/theatre_for_all
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCzsRCarBK3EYXk9GZXLTL-g
サービス概要
◼︎THEATRE for ALL
日本で初めて演劇・ダンス・映画・メディア芸術を対象に、日本語字幕、音声ガイド、手話通訳、多言語対応などを施したオンライン劇場。2月5日のサービス開始以降、3月まででオリジナル作品を含む映像作品約30作品、ラーニングプログラム約30本を配信。新型コロナウイルスで外出困難となった方、障害や疾患がある方、子ども、母語が日本語以外の方、また、芸術に対して「困難さ」がバリアとなり馴染んでこられなかった方などに対して、開かれた劇場を目指し、これからもアップデートされていく予定です。
◼︎THEATRE for ALL ラーニング
独自メソッドによるTHEATRE for ALLラーニングでは、作品を感じる視点を育てる解説動画『2つのQ』とアーティストの表現や対話型鑑賞などの手法を生かした参加型ワークショップの大きく2種類のオリジナルプログラムを、多言語字幕や手話などのアクセシビリティ対応付きで提供。思考力や対話力が育まれ、新しい創造的チャレンジが生まれるような学びの場をつくりました。
◼︎THEATRE for ALL LAB
THEATRE for ALL LABは、演劇、ダンス、映画、メディア芸術など、アートと多様な人々を結ぶ活動に加え、身体や言語、環境などが異なる人々同士のコミュニケーションについて、思考し議論していくためのリサーチや場づくりを行っています。「違う」ことを前提にした対話の中でこそ生まれる、豊かな視点や新しいアイデア。それらをたくさんの人と共有し合い、社会に実装していくことを目指します。
プロセス
◼︎事業設計のためのデザインリサーチとビジネスモデル設計
「そもそも、バリアフリーな動画配信とはなんだろう?」障害当事者やそのサポートをする団体、日本語以外の言葉を母国語とする方へのインタビューリサーチによってニーズを把握し、ターゲット像を構築、サービス設計を行いました。
◼︎作品の公募
バリアフリーの情報保障を施した作品制作やラーニングプログラム実施に取り組み、バリアフリー型の動画配信サービスで公開する映像・作品・番組を公募しました。
◼︎バリアフリー作品制作、ラーニングプログラムの企画・制作
各作品にバリアフリー対応(音声ガイド、バリアフリー字幕、手話通訳、アーティスト独自のバリアフリーの取り組み等)や多言語対応を行っています。作品ごとにアーティストや制作会社と相談しながらアクセシビリティ対応を検討し、これまで鑑賞機会のなかった視聴者に作品を届けられるよう、試行錯誤しつつ制作しています。2021年3月までに、オリジナル作品を含む映像作品約30作品、ラーニングプログラム約30本を公開予定です。
◼︎オンライン動画配信サービスの企画・制作・運営
リサーチ結果を元に、ロゴ、ビジュアル、言葉づくり、WEBサイトなどの情報設計、デザインを実行。デザイナー、WEB制作パートナー、障害当事者によるアクセシビリティチェックの会社との協働の元、サービスを構築していきました。メディアタイアップやインフルエンサー施策に加え、障害当事者団体や多言語の話者との関係づくり、ネットワーキングを行い、これまで劇場にアクセスしづらかった障害当事者含む顧客にアプローチしました。
◼︎事業としての効果測定
本事業に関わった事業実施団体、視聴者へのアンケートやインタビュー等の調査、サービスの顧客分析等を行い、本事業に関わったステークホルダーにフィードバックするとともに、オンライン劇場を育てていくために活用していきます。
今後の展望
作品のラインナップを充実させ、視聴会員を集めながら、動画配信サービスとして事業運営を継続します。また、本事業の知見を生かしたコーディネーション事業を展開します。
本事業は、配信作品の制作会社、障害当事者やそのサポートをされている方、マイノリティと文化芸術を繋ぐ活動をされている方との協働によって実現しました。今後さらに事業を発展させ、パフォーミングアーツのアクセシビリティを高めていきます。
◼︎新たなるバリアフリー事業の協働パートナー模索
・ワークショップや作品制作などで協働できる当事者団体や個人とのネットワーク構築
◼︎配信作品の募集・バリアフリー対応の普及推進
・動画配信サイトで作品を配信したい制作会社やアーティストを開拓します。
・既存のバリアフリー動画を持っている制作会社や、新たに製作予定の事業者を常時募集します。また、共同でバリアフリー作品の制作を行い、ユーザー調査と配信までを請け負う事業を実施します。
◼︎アクセシビリティやバリアフリーのコーディネーション事業
・公演やイベントのアクセシビリティ対応コンサルティング
・オンライン配信イベント、映像作品のアクセシビリティ対応コンサルティング
・障害当事者と共同して実施する、ワークショップや教育プログラムの開発・運営
・障害当事者などに対する、各種リサーチやユーザーモニタリング
◼︎アートラーニングの学校や企業、施設導入のためのコーディネーション事業
・企業の人材育成やオリエンテーションの一環として、または学校のプログラムとして、ラーニングプログラムをカスタマイズ
・各施設や学校での対話型鑑賞の出張ワークショップ
・アーティストとプロジェクトを作る創作発表会
作品やサービスへのアクセシビリティを高めることは、障害当事者や日本語が母国語ではない方、などに対して回路を開くのみではなく、誰にとってもこれまで気づかなかった世界の見え方をおしえてくれるものだと私たちは考えています。
受賞
■ 2021年度グッドデザイン賞を受賞
審査委員の評価
本取り組みは、障がいを持つ人の芸術へのアクセシビリティを向上させるだけでなく、アーティストがアクセシビリティに関する理解を深め、新たな視点での表現を学んだり、探求することを可能にするプラットフォームという観点においても、とても優れた取り組みである。今年の2月に始まった取り組みでありながら、早くも大きな広がりを見せている本活動が、今後も持続的に継続されることを心から期待したい。
活動報告書
広報制作物
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メインビジュアル
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公募事業ビジュアル
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A4チラシ
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モーションロゴ
メディア掲載情報
- 2021年2月8日:[SERIES] THEATRE for ALL:アートにバリアフリーを | 美術手帖
- 2021年2月10日:[特集] すべての人に劇場体験をー 日本初、バリアフリー・多言語対応のオンライン型劇場がオープン | 映画ナタリー
プレスリリース
関連@オンライン
クレジット
文化庁収益力強化事業「バリアフリー型の配信プラットフォーム事業」
主催:文化庁、株式会社precog
運営:THEATRE for ALL 事務局(株式会社precog)
統括プロデューサー:中村 茜(株式会社precog)
統括ディレクター:金森 香(株式会社precog)
ファンディングディレクター:大高 健志(MotionGallery)
法務ディレクター:水野 祐、高橋 治(以上、シティライツ法律事務所)
THEATRE for ALL 事務局
<制作事業部>
プログラム制作統括:兵藤 茉衣、平岡 久美(以上、株式会社precog)
○バリアフリー制作
バリアフリーマネジメント:谷津 有佳(株式会社precog)
バリアフリー監修:山上 庄子(株式会社Palabra)
○ラーニング事業
ラーニングプログラムディレクター:山本 さくら
ラーニングプログラムマネジメント:栗田 結夏(株式会社precog)、星 茉里
ラーニングプログラム監修:臼井 隆志(ミミクリデザイン)
ラーニングプログラム動画 ディレクション:いしいこうた(HOEDOWN)
ラーニングプログラム動画 制作:HOEDOWN
○プログラム制作
提案プログラム制作:黄木多美子、水野恵美、佐藤瞳、関萌美、西山葉子、青木佳(以上、株式会社precog)、武田知也、藤井さゆり、和田ながら
公募プログラム制作:國分郁子(株式会社precog)、清水翼(KANKARA Inc.)、時田曜子・西川悦代・丸山怜音(以上、ゴーチ・ブラザーズ)
制作アシスタント:小林あずさ、林芽生、遠藤七海、大川文乃、瀬藤朋、陳艾文(以上、株式会社precog)、関あゆみ
○公募運営
公募サイト運営:株式会社ロフトワーク公募設計マネジメント:藤井さゆり
<コミュニケーション事業部>
コミュニケーション事業運営統括:篠田栞(株式会社precog)
○アートディレクション
オフィシャル・デザイナー:いすたえこ
イラストレーター:渡辺明日香
テキスト監修・コピーライティング:土門蘭
○アクセシビリティ監修:株式会社メジャメンツ
伊敷政英、岡上洋子、サニーバンクのワーカーのみなさん
○事業評価設計アドバイジング:ARTLOGY 熊谷薫、石幡愛、西田祥子、永井希依彦
○広報・コミュニティ運営:一般社団法人DRIFTERS INTERNATIONAL
広報ディレクター:村上晴香
広報マネジメント:北堀あすみ(株式会社precog)
広報アシスタント:宮崎淳子、田井中未来(株式会社precog)
コミュニティ ディレクター:山川 陸(一般社団法人DRIFTERS INTERNATIONAL)
コミュニティ運営アドバイザー:鈴木励滋(生活事業所カプカプ/舞台ライター)
コミュニティ運営アシスタント:長谷川葵、小黒典子、箕浦 萌、小野寺研斗、西多惠子(以上、株式会社precog)
コミュニティ開発パートナー:板坂留五、梅原徹、渡辺瑞帆
コミュニティ運営サポート:木村佳菜子(MotionGallery)
○デジタル広告:株式会社weroll
コンサルティング:浅野雄介
広告運用:今井健太、恒松毅宥、木村龍、有汲幸亮、小柏舞佳
○WEB制作
WEB制作マネジメント:日比野紗希(株式会社precog)
WEB制作ディレクター:廣瀬絢、佐野譲(株式会社おいかぜ)
テキスト校正:藤奈津子
○アドミニストレーション:株式会社precog
チーフアドミニストレーター 森田結香
アドミニストレーションデスク 美和咲妃
デスクアシスタント 岩井美菜子、金井順子、河野真紀、齊藤浩子
経理 平井清美、星野麻子
会計・税務 オーケーパートナー
<公募作品審査員>
白木栄世(森美術館 アソシエイト・ラーニング・キュレーター)
廣川麻子(NPO法人シアター・アクセシビリティネットワーク 理事長)
森真理子(日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS チーフ・ディレクター)
大高健志(本事業ファンディングディレクター/MotionGallery 代表)
金森香(本事業統括ディレクター/株式会社precog 執行役員/広報・ブランディングディレクター)