AR三兄弟 VIRTUAL NIPPON PROJECT
- CATEGORY
- イベント形態|オンライン配信, トーク・シンポジウム, パフォーマンス, ワークショップ
- precogの業務|配信事業, バリアフリー
- 表現分野|映像, 美術
- 開催年|2023, 2022, 2021
- SHOP
- オンデマンド
プロジェクト概要
開発ユニット「AR三兄弟」と株式会社precogによる人体のデジタル・アーカイブ(3Dデータとモーションキャプチャ)の可能性や利活用を考えるプロジェクト。身体に経験を宿した人間の動きとフォルムをデジタル化し、その活用方法やアートや法律、開発者等の様々な専門家らと意見交換し、新たなアートやパフォーマンスの可能性を探りました。
バリアフリー動画配信・オンラインイベント企画、ワークショップ、広報PR
◼︎プロジェクト期間
2021年2月〜2023年2月
◼︎プロジェクト体制
文化庁委託事業「戦略的芸術文化創造推進事業」
主催:文化庁、株式会社precog
◼︎関連リンク
公式サイト:
VIRTUAL NIPPON COLOSSEUM:https://theatreforall.net/virtual-nippon-colosseum/
VIRTUAL NIPPON BODIES:https://theatreforall.net/virtual_nippon_bodies/
作品概要
■「バーチャル身体の祭典/VIRTUAL NIPPON COLOSSEUM」(2021年度)
2021年度はアオイヤマダ(ダンサー)、加勢鳥(民俗行事)、男性ブランコ(お笑い芸人)、西矢椛(プロスケートボーダー)、前川楓(パラアスリート)、前田順康(太鼓芸能集団 鼓童)、村松卓矢(大駱駝艦/舞踏家)のデータを収集。それらを使ったデジタルパフォーマンス動画の配信やARアプリによるコンテンツの提供、オンラインカンファレンスなどを実施しました。
■「バーチャル身体図鑑/VIRTUAL NIPPON BODIES」(2022年度)
2022年度は芸能・音楽分野にフォーカスをあて、小林幸子(歌手)、ヨネダ2000(お笑い芸人)、鎮座DOPENESS(ラッパー)、元・たまの石川浩司(シンガーソングライター)、伝統芸能より、いがみの権太+人形遣い(人形浄瑠璃 文楽)、音無史哉(笙)、伝統行事より、富山市のおわら風の盆(唄と踊りの民謡)、五島列島五島市のチャンココ(念仏踊り)を迎え、総勢約20名のデータをバーチャル身体図鑑として一覧公開。ARアプリでの展開やリアルでの関連イベントの開催に加え、ポスターやトレーディングカードを作成しARデータの新たな活用方法を提示しました。
プロセス
■身体表現へのアクセシビリティを考えるなかで生まれてきたアイディア
株式会社precogはアクセシビリティに特化した動画配信プラットフォーム「THEATRE for ALL」を運営しており、このプロジェクトは身体表現のアクセシビリティについて考えていく中で生まれてきたものです。人体とその動きのデジタルデータを収集し活用することで世界中いつでもどこからでも鑑賞できる身体表現の新たな可能性を開こうと開発者であるAR三兄弟とともにプロジェクトに取り組むことになりました。
プロジェクトが本格始動する前年の2020年度にはバレリーナと相撲取り、空手家の3Dモデル及びモーション(空手家は3Dモデルのみ)を収集し誰でも活用できるデータとして販売。その過程を収めたドキュメンタリー映像を『AR三兄弟の素晴らしきこの世界(バリアフリー編)』としてTHEATRE for ALLで配信しました。
■蓄積したデータやノウハウを活かした展開
令和2年度(2020年度)に文化芸術収益力強化事業(委託事業)として実施した『AR三兄弟の素晴らしきこの世界(バリアフリー編)』での取り組みを踏まえつつ、令和3年度(2021年度)から文化庁委託事業「戦略的芸術文化創造推進事業」に向けて5ヶ年計画を立案。まずは2年にわたるプロジェクトを実施しました。
プロジェクトの始動にあたっては、人体データをアーカイブし創造的に活用していくことの課題と可能性について、各分野の専門家にインタビューを行いました。
開発者や専門家のネットワーク、蓄積したデータなどを活用した新たなプロジェクトの展開が今後も期待されています。
■データの収集と販売
収集した3Dデータとモーションデータの一部は誰でも自由に活用できるものとして販売も行っています。新型コロナウイルスの影響でパフォーマーたちが窮地に立たされていたことを背景に生まれてきたこの企画では、身体に経験を宿した人たちの公演以外の仕事の可能性を模索することも目指しました。
データの収集、アーカイブはひとつの目的であり、次のステップとしてその利活用があります。人体とその動きのデジタルデータの活用範囲は、ゲームやVR、アバター等多岐にわたり、新しい用途も生まれていくことでしょう。
◉3Dデータ撮影風景
<左から、鎮座DOPENESS氏、元・たまの石川浩司氏、小林幸子氏>
◉モーションデータ撮影風景
<左から、ヨネダ2000、いがみの権太+人形遣い、鎮座DOPENESS氏>
■活用方法の検討・提案
収集したデータを披露し、その活用方法を提案するプラットフォームとして特設アプリ「社会実験」を公開し、アプリ上で様々なコンテンツを展開しました。
加えて、2021年度はデジタルパフォーマンス動画を配信。また、データを提供した実演家や各ジャンルに精通する専門家が登壇してデータ活用の可能性をリレー式に議論するトークイベントをオンラインで開催。技術者とアーティスト、障害当事者、サービス開発者らがデジタル空間での身体表現について意見や情報を交換しました。
2022年度は「バーチャル身体図鑑」の公開に合わせてシビック・クリエイティブ・ベース東京でイベントを実施。身体のデジタルデータをめぐるリレートークのほか、体験コーナーやワークショップの実施、収集したデータを使ったプロダクトとしてポスターやトレーディングカード(プロトタイプ)の販売も行いました。
◉デジタルパフォーマンス動画配信(2021年度)
◉トークイベント開催(2021年度、2022年度)
◉イベント、ワークショップ開催(2022年度)
◉プロダクト企画(2022年度)
成果
■利活用可能な3Dデータの蓄積
本プロジェクトではこれまでに20を超える人体の3Dデータを収集してきました。データの収集を続けるなかで収録技術もアップデートされてスリム化し、汎用可能性も高まってきています。AR三兄弟を始め、これらのデータを活用した新しいアートやパフォーマンスが生み出されてくることを期待し、ニーズに応じて株式会社precogでは今後も積極的に企画の提案やデータの利活用に際してのアーティストとの調整などを行っていきます。
■身体表現のアクセシビリティの向上へ
そもそもこのプロジェクトのアイディアは身体表現へのアクセシビリティを考えるなかで生まれてきたものでした。家から出なくてもスマホで楽しめるARコンテンツによって身体表現の鑑賞体験は少しだけ身近なものになりました。現段階では3Dデータを活用したコンテンツに十全なアクセシビリティが提供できているわけではありませんが、ARコンテンツにはまだまだ可能性があります。2022年度までのプロジェクトで得た知見を踏まえ、今後の展開のなかでアクセシビリティの向上を目指します。
ギャラリー
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総合演出:川田十夢 General Director: Tom Kawada -
開発:AR三兄弟 Development: AR 3Bros. -
アオイヤマダ(ダンサー) Aoi Yamada (dancer) -
加勢鳥(八百万の神) Kasedori(Myriads of gods) -
浦井のりひろ/男性ブランコ(お笑い芸人) Norihiro Urai/Dansei Blanco (Comedian) -
平井まさあき/男性ブランコ(お笑い芸人) Masaaki Hirai/Dansei Blanco (Comedian) -
西矢椛(プロスケートボーダー) Momiji Nishiya (professional skateboarder) -
前川楓(パラアスリート) Kaede Maegawa (para athlete) -
前田順康(太鼓芸能集団 鼓童) Masayasu Maeda (Kodo) -
村松卓矢(大駱駝艦) Takuya Muramatsu (Dairakudakan) -
石川浩司(シンガーソングライター) Koji Ishikawa (Singer-songwriter) -
音無史哉(笙、雅楽奏者) Fumiya Otonashi (Sho) -
おわら風の盆(民謡行事) Owara Kaze no Bon Festival (Traditional) -
小林幸子(歌手) Sachiko Kobayashi (Singer) -
チャンココ(念仏踊り) Chankoko (Nembutsu Odori) -
鎮座DOPENESS(ラッパー) Chinza DOPENESS (Rapper) -
人形浄瑠璃 文楽(人形遣い:吉田簑紫郎) Gonta + Puppeteer (Ningyo Joruri Bunraku) -
ヨネダ2000(お笑い芸人) YONEDA 2000 (Comedian)
広報制作物
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【AR三兄弟の素晴らしきこの世界(バリアフリー編)】AR作品デモ動画(力士)
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【AR三兄弟の素晴らしきこの世界(バリアフリー編)】AR作品デモ動画(バレリーナ)
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「バーチャル身体の祭典 VIRTUAL NIPPON COLOSSEUM」メインビジュアル
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バーチャル身体の祭典 VIRTUAL NIPPON COLOSSEUM【告知動画】
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「VIRTUAL NIPPON BODIES 2023」メインビジュアル
メディア掲載情報
- 2022年2月17日:川田十夢やアオイヤマダ、西矢椛、男性ブランコらが参加する「バーチャル身体の祭典 VIRTUAL NIPPON COLOSSEUM」が3月2日に配信|TOKION
- 2022年2月17日:デジタル技術を駆使した「バーチャル身体の祭典」に男性ブランコが参加|お笑いナタリー
- 2022年2月24日:ARを活用したプロジェクト「バーチャル身体の祭典 VIRTUAL NIPPON COLOSSEUM」始動!新たなアートやパフォーマンスの可能性を探る|ARGO
- 2022年3月1日:AR三兄弟・川田十夢が総合演出を務める「バーチャル身体の祭典 VIRTUAL NIPPON COLOSSEUM」が始動|知財図鑑
- 2022年3月14日:「ARとVR、一緒にメチャクチャ面白いことを!」 AR三兄弟長男と「バーチャルマーケット」主催社CEOが意気投合対談|WWD
- 2022年3月22日:テクノロジーで芸術と芸能とスポーツを越境する:AR三兄弟が実践した「祭りの伝統を継承する」ためのデジタルアーカイブ|WIRED
- 2022年3月22日:AR三兄弟と男性ブランコによる『バーチャル身体の祭典』 浦井が落語家を演じ、平井が舞い踊る|QJweb
- 2022年3月22日:伝統芸能を立体音響に拡張するAR。人類の歴史と文化は、やがてパレードへ。|J-WAVE NEWS
- 2022年4月24日:問題続きだった国家的祭典を再起動。川田十夢がARで実現する、すべての人が参加できる「祭」|CINRA
- 2023年2月1日:小林幸子やヨネダ2000など、芸術やスポーツを含め約20名のデータを“3D図鑑化”!「バーチャル身体図鑑」を公開|pen online
- 2023年2月1日:人形浄瑠璃から小林幸子までを3D図鑑化した川田十夢(AR三兄弟)の最新作「VIRTUAL NIPPON BODIES」が公開|ADF webmagazine
- 2023年2月2日:<VIRTUAL NIPPON BODIES 2023>コロナ禍で生まれた、誰もがどこでも楽しめる新たな舞台芸術の形 対談:川田十夢 × 金森香|Qetic
- 2023年2月2日:人形浄瑠璃から小林幸子、ヨネダ2000、鎮座DOPENESSまでを”3D図鑑化”!川田十夢(AR三兄弟) 新作「バーチャル身体図鑑」公開|Qetic
- 2023年2月3日:企画とは共犯意識を生み出す遠足のしおり。川田十夢さん【AR三兄弟のTAKURAMI】|TAKURAMI LAB
- 2023年2月3日:人形浄瑠璃からヨネダ2000、鎮座DOPENESSまで!?AR三兄弟が手がける『バーチャル身体図鑑』がまもなく公開「伝統芸能も最新の芸能もくまなくデータ化していく」|QJweb
- 2023年3月25日:身体と身振りをフュージョン! 新たなデジタル表現の形「バーチャル身体図鑑」|bouncy
プレスリリース
関連@オンライン
関連スペース
クレジット
「AR三兄弟の素晴らしきこの世界(バリアフリー編)」
開発・出演:AR三兄弟
出演:小林昭仁(元・鳥羽の山)、 田代良徳(元・東桜山)、 村中智(バレエダンサー)
プロデューサー:金森香(株式会社precog)
プロジェクトマネジメント:田井地直己、加藤夏帆(TASKO inc. )
協力:株式会社ビーエスフジ、お相撲さんドットコム、株式会社Way、Palabra株式会社、株式会社デジタルアルティザン、株式会社グリオグルーヴ、株式会社Pヴァイン
「バーチャル身体の祭典 VIRTUAL NIPPON COLOSSEUM」
総合演出:川田十夢
開発:AR三兄弟
出演:アオイヤマダ / 加勢鳥 / 男性ブランコ / 前川楓 / 前田順康(鼓童) / 西矢椛 / 村松卓矢(大駱駝艦)
音楽:蓮沼執太
台本:ワクサカソウヘイ / 川田十夢(原案)
落語技術監修・衣装提供:立川談吉
衣装:飯嶋久美子
メイクアップ:冨沢ノボル
ドローン撮影:久保木肇 / 岩城忠幸
デザイン:いすたえこ
制作:TASKO inc.
バリアフリー制作:Palabra株式会社
バリアフリーコーディネート:THEATRE for ALL
制作デスク:株式会社precog
プロデュース:金森香(株式会社precog)
文化庁委託事業「令和3年度戦略的芸術文化創造推進事業」
主催:文化庁、株式会社precog
「VIRTUAL NIPPON BODIES バーチャル身体図鑑」
総合演出:川田十夢
開発:AR三兄弟
出演:小林幸子(歌手)、鎮座DOPENESS(ラッパー)、石川浩司(シンガーソングライター)、ヨネダ2000(芸人)、いがみの権太+人形遣い(人形浄瑠璃 文楽)、おわら風の盆(伝統)、チャンココ(念仏踊り)、音無史哉(笙)
協力:公益財団法人文楽協会
音楽:蓮沼執太
デザイン:いすたえこ
制作:TASKO inc.
バリアフリーコーディネート:THEATRE for ALL
制作デスク:株式会社precog
広報:村上晴香
プロデュース:金森香(株式会社precog)
文化庁委託事業「令和4年度戦略的芸術文化創造推進事業」
主催:文化庁、株式会社precog
提携:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]