株式会社precogより新年のご挨拶
昨年は格別のご愛顧を賜り厚く御礼を申し上げます
新しい年が素晴らしい一年になりますよう
みなさまのご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます
2022年は、precog代表・中村茜が、令和3年度(第72回)文化庁芸術選奨・文部科学大臣賞新人賞【芸術振興部門】を受賞。マネジメントを手がける岡田利規が『未練の幽霊と怪物―「挫波」「敦賀」―』と團伊玖磨/歌劇『夕鶴』(新演出)で第29回読売演劇大賞 優秀演出家賞受賞、『未練の幽霊と怪物 挫波/敦賀』が第25回鶴屋南北戯曲賞受賞、小説集『ブロッコリー・レボリューション』が第35回三島由紀夫賞を受賞、ハンブルク・タリア劇場にて発表した新作『Doughnuts』がベルリン演劇祭テアタートレッフェンに選出されるなど、喜びに溢れる一年となりました。
皆様のお力添えを賜り、昨年も盛り沢山な一年となりました。ここからは、2022年のハイライトを振り返りながら、2023年のprecogの活動をお伝えいたします!
■ 芸術と福祉の取り組みを加速!
precogが運営するオンライン劇場「THEATRE for ALL」では、多言語字幕、手話、音声ガイドなど様々な情報保障付きでお楽しみいただける作品を多数配信。12月~1月は、舞台芸術のデジタルアーカイブ化を推進する「EPAD」提携事業で連続配信も開始しました!岡田利規×酒井はな、こまつ座、マームとジプシー、ままごと、オル太がバリアフリー対応映像でお楽しみいただけます。ぜひご覧ください。
「まるっとみんなで映画祭 2022」では、アーティストを交えたオンラインイベントを多数開催、たくさんの方々にご参加&ご視聴いただきました。秋には栃木県那須でインクルーシブな上映会を実現。そして、『おにい ~筋ジスになって絶望はないの?機能不全家族の妹が問う~』(Aiko Komeda)、『へんしんっ!』(石田智哉監督)などの作品が配信ではまだまだお楽しみいただけます。長野県軽井沢での開催に向けた「まるっとみんなの調査団」も進行中!今後の映画祭にもご期待ください。
THEATRE for ALL LABの取り組みとして行っている福祉施設に芸術鑑賞と創作を届けるプロジェクト「劇場をつくるラボ」では、音楽家・蓮沼執太と映像作家・水尻自子が福祉施設利用者とのワークショップ体験をもとにショートアニメ『PAPER?/かみ?』(ドリフターズ・インターナショナル主催)を創作。全国の福祉施設で上映会を実施しました。2023年も全国各地を巡ります!
また、官公庁や各種団体から委託をいただく機会もますます増えています。
厚生労働省 障害者芸術文化活動普及支援事業の全国連携事務局運営を二年連続で受託。全国連絡会議の実施や活動報告書の作成、WEBサイトのリニューアルと運営、広報発信で認知向上に努めるなど、全国レベルでの障害者の芸術文化活動支援を行いました。
2023年2月には文化庁からの受託事業として、音楽、映像、アート、舞台芸術のフリーランスのアーティスト・スタッフの方を対象に「契約」がテーマの学びの研修会を実施します。後日、アーカイブ映像(手話/日本語字幕付)も配信予定です。
■ チェルフィッチュ/岡田利規から目が離せない!
2022年、チェルフィッチュ/岡田利規は、近年舞台映像デザイナーの山田晋平氏とともに取り組む〈映像演劇〉の豊作の年でした。
3月穂の国とよはし芸術劇場PLATが主催している「市民と創造する演劇」では、オーディションで選ばれた市民と共に映像演劇の手法を用いて『階層』を創作・発表、10月には東京芸術祭で再演が実現しました。映像演劇『ニュー・イリュージョン』では舞台と客席という通常の演劇の形式を踏襲する新たな試みにより、映像演劇としての新たな展開を提示しました。本作は東京公演から韓国ツアーへと発展、今年はシンガポールでの公演が決定しています。
2023年、チェルフィッチュは2つの新作発表を予定しています。
今年5月にウィーン芸術週間で世界初演を迎える新作音楽劇では、現代音楽の作曲家・藤倉大氏とチェルフィッチュ出演俳優とともに新たな音楽劇の創作に挑みます。俳優は歌唱とは異なる手法で、そして音楽は情景や心情を描くものとは異なる在り方で、相互に作用することで、言葉と音楽のまったく新しい関係から新たな“音楽劇”を創造することに挑戦します。ワークインプログレス公演を映したチェルフィッチュ初の音声ガイド付き映像はTHEATRE for ALLで配信中です。
また今年8月には、チェルフィッチュが日本語を第一言語としない俳優の日本語演劇への参加の機会を創出するべく2021年より演劇ワークショップを複数回実施してきた活動を経て、オーディションで選出した日本語が第一言語ではないパフォーマーとともにSF作品を創作・発表します。どうぞご期待ください!
岡田利規が手がけた2つのダンス作品、『私は幾つものナラティヴのバトルフィールド』(テキスト・演出・共同振付)と『瀕死の白鳥 その死の真相』(演出)は、いずれも話題作に。『瀕死の白鳥 その死の真相』はTHEATRE for ALLにて、バリアフリー字幕・音声ガイド付きで現在配信中です。ぜひご視聴ください。2023年初頭、岡田は木ノ下歌舞伎での『桜姫東文章』の脚本・演出が控えています。こちらもご期待ください!
海外での作品創作も精力的に行い、ドイツ・ハンブルクのタリア劇場で発表した『Doughnuts』ではドイツ語圏で上演される400もの作品から10の注目作を選出するベルリン演劇祭“テアタートレッフェン(Theatertreffen)”に選出。続いて、ノルウェー・オスロのナショナルシアターでも現地俳優と新作『HVALEN I ROMMET(日:部屋の中の鯨)』を発表しました。2023年もドイツでの新作創作を予定。続報を是非お待ちください!
■ precogが企画・制作!
日本の身体を世界に発信する、デジタル・パフォーマンスと人体データのアーカイブ実践プロジェクト川田十夢(AR三兄弟)総合演出「バーチャル身体の祭典 VIRTUAL NIPPON COLOSSEUM」はテクノロジー×アートの可能性を提示。今年は新たにラッパーやミュージシャン、日本全国地域の奇祭や伝統芸能を収録し、これまでの全データを一覧できる図鑑機能を搭載して発表します。
また、2023年3月〜5月は「Translation for ALL」が開幕し、メディアアートとアクセシビリティをめぐる先駆的なパフォーマンスや各種配信イベントを実施します。どうぞご期待ください!
ふたりの演出家による共同プロジェクト、倉田翠 × 飴屋法水 東京公演『三重県足立区甲府住吉メゾン・ド・メルシー徒歩0分、入浴中』は、出会いから3年、盛況のうちに終着を迎えることができました。映像作品『三重県新宿区東九条ユーチューブ温泉口駅 徒歩5分』は、現在国際交流基金オンライン配信プロジェクトSTAGE BEYOND BORDERS ‒Selection of Japanese Performances‒ にて配信中。
マレーシアの “伝説の戦士” ハン・トゥアを題材としたマーク・テ 最新ビデオ・エッセイ『fragments of Tuah – トゥアの片影』(一般社団法人P主催)は、THEATRE for ALLで配信中です。
■ 多彩なワークショップを開催!
2022年は年間を通して、多彩なアーティストとのコラボレーションによるワークショップを多数開催。美術館や文化センターからの委託も継続的にいただくようになりました。
振付家・ダンサー神村恵による「景丘の家になってみる」@景丘の家、音楽家・アーティスト蓮沼執太による「おと → もじ → おと」@景丘の家、演劇集団・範宙遊泳による「『ももたろうのつづき』のつづきを作ってみよう!」@代官山ティーンズクリエイティブ、scale laboratoryによる「Oddろう! 10・1000・⭕️(おどろう!てん・せん・えん)」@刈谷市総合文化センター アイリス&渋谷編@かぞくのアトリエ、異言語Lab.による「めとてでお喋りイマジネーターになろう」@景丘の家、など。コロナを経て対面で行った子ども向けワークショップは、子どもたちの生き生きした姿に溢れ、いずれも好評いただきました。
森美術館 まちと美術館のプログラム「アート・キャンプ for under 22 Vol.8 作品と人と人をつなぐ」にて、「多様な人とアート鑑賞を“つくる”ワークショップ」を開催。アート鑑賞における創造性溢れる「バリアフリー」のあり方について考える機会を創出しました。
東京都大田区・池上では、ドリフターズ・インターナショナルによる、「チェルフィッチュといっしょに‟半透明”になってみよう!」@久松温泉や「詩人・大崎清夏と街を訪ねて日記を書くワークショップ」@本妙院および大崎清夏×金氏徹平「池上上々交換日記」といった地域でのワークショップや展示、上映会の制作を手がけました。
2023年は、東京やオンラインのみならず、軽井沢周辺や那須高原などでもワークショッププログラムを企画中。お近くのかたはぜひお出かけください!
precogは芸術文化と社会、そして世界の架け橋として文化的な活動をたくさんの方々にお届けできるよう、精力的に取り組んでまいります。本年もどうぞよろしくお願いいたします!
株式会社precog 一同
2022年は1月6日(木)より通常営業いたします。
2023年スケジュール
◉EPAD提携事業
現在配信中〜 @EPAD × THEATRE for ALL特設ページ
◉AR三兄弟「VIRTUAL NIPPON BODIES 2023(仮)」
2月 @THEATRE for ALL ほか
◉文化庁 芸術家等実務研修会 実施事業 『フリーランスアーティスト・スタッフのための契約レッスン』
2月 東京都現代美術館 B2研修室1/晴れたら空に豆まいて/東京芸術劇場シンフォニースペース/LUMINE 0/3331 Arts Chiyoda コミュニティースペース/LOFT9 Shibuya/オンライン
◉岡田利規 脚本作品 KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『掃除機』
3月 @KAAT神奈川芸術劇場〈中スタジオ〉
◉Translation for ALL|トランスレーション フォー オール
3〜5月 AR三兄弟、蓮沼執太、梅原徹、異言語Lab. and more…
◉contact Gonzo × やんツー 新作作品
5月 @東京
◉チェルフィッチュ×藤倉大 新作音楽劇
5月 @Wiener Festwochen(オーストリア・ウィーン)/ KunstFestSpiele Herrenhausen(ドイツ・ハノーファー)
10月 @欧州
◉チェルフィッチュ 映像演劇『ニュー・イリュージョン』
@シンガポール
◉チェルフィッチュ 日本語を第一言語としない人たちとの演劇プロジェクト 演劇公演
8月 @東京
◉令和4年度 厚生労働省 障害者芸術文化活動普及支援事業連携事務局(舞台芸術分野)
特集記事「福祉とアートをめぐる問い」順次公開 @公式WEBサイト
配信プラットフォーム・スペース運営
上演映像や映画の配信・情報発信に「バリアフリーなオンライン劇場」を活用しませんか?音声ガイド・字幕・手話・英語字幕などがついた映像作品を通して作品と多様なお客様を繋げるお手伝いをいたします。ラーニングプログラムの開発やバリアフリー映像の制作コーディネートも承っています。作品も随時募集しています。お気軽にお問い合わせ下さい。
新宿区山吹町にある広さ約120平米の稽古場・貸スタジオ。稽古やワークショップスペースとしての利用に加え、動画配信スタジオとしての利用や、企画に合わせた配信プランのコーディネートも承っています。利用申し込み随時受付中!皆様のご利用をお待ちしています。
大分県別府市にてprecogが運営しているフリースペース「PUNTO PRECOG」(プントプリコグ)ではいつでも店主を募集しています! 日本最大の温泉地別府の小さな実験スペースで、あなたらしい「お店」にチャレンジしてみませんか?本年も新しいお店が登場します。どうぞお楽しみに!