森美術館との協働による展覧会関連プログラムの企画・運営

まちと美術館のプログラム「アート・キャンプ for under 22 Vol. 7  ヒューマン・ビギン:アシタナニスル?」

  • CATEGORY
  • イベント形態|パフォーマンス, ワークショップ, 参加型
  • precogの業務|公演制作, バリアフリー対応, ワークショップ開発, 広報
  • 表現分野|ダンス, 映像
  • 開催年|2021

プロジェクト概要

森美術館「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」関連プログラムとして、森美術館と株式会社precogが主催したプログラム。ダンサー・振付家の辻󠄀本知彦、菅原小春やさまざまな分野のプロフェッショナルを迎え、未来を一緒に担っていく世代と、これまで当たり前だと考えられていた「性」の規範を更新するようなメッセージを考え、身体をつかって表現することを目指しました。

2021年6月末から8月上旬まで約1ヶ月にわたって実施し、森ビルの魅力的な施設や街をフィールドに、森美術館・森ビルのスタッフの並走で、充実したプログラムにすることができました。

パフォーマンスの様子をおさめた映像作品と、プログラム全体を追ったドキュメンタリー映像作品が、THEATRE for ALLと森美術館「MAMデジタル」で配信されています。

◼︎precogの業務

ワークショップ開発、公演制作、広報、バリアフリー対応

◼︎プロジェクト期間

2021年6月〜8月

◼︎プロジェクト体制

主催:森美術館、森ビル株式会社、株式会社precog
企画:森ビル株式会社、森美術館ラーニング、株式会社precog
企画協力:日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS
助成 :⽇本財団、公益財団法⼈東京都歴史⽂化財団 アーツカウンシル東京
協力:Climb Park Base Camp

◼︎関連リンク

森美術館公式サイト
THEATRE for ALL 作品ページ

作品概要

多数の応募のなかから選ばれた、バックグラウンドの異なる16歳から22歳の参加者9人が、ダンサー・振付家の辻󠄀本知彦と菅原小春とともに森ビルが運営する街のなかで「男らしさ」と「女らしさ」、「都会」と「自然」などイメージを交差し、仲間たちと対話をかさね、「自分らしさ」をダンスで表現しました。本プログラムでは、平山ユージ、清水文太、渡邉寿岳、河内崇、中原楽などのプロフェッショナルな制作陣ともいっしょにワークショップの時間を過ごし、その様子を映像化することにも挑戦しました。

ワークショップ内容

◼︎出演
辻󠄀本知彦(ダンサー・振付家)※「辻󠄀」のしんにょうは点1つ
菅原小春(ダンサー・振付家)

◼︎対象
15〜22歳

◼︎会場
森美術館 、六本木ヒルズ 屋上庭園、虎ノ門ヒルズ オーバル広場、新虎通りCORE 、アークヒルズ・カラヤン広場、Climb Park Base Camp 入間店

◼︎スケジュール
2021年
6月26日(土) キックオフ
7月10日(土) プロ・フリークライマーの平山ユージさんに出会う!(クライミング体験)
7月26日(月)〜30日(金) ダンスキャンプ
7月31日(土)〜8月2日 リハーサル・本番、撮影

配信情報

出演:
辻󠄀本知彦(ダンサー・振付家)
菅原小春(ダンサー・振付家)
長田知夏、粕谷美緒、金子美月、菊池杏佳、木越斎、田代 一裕、中村詩音、平山ひかる、百瀬莞那
児玉彩愛(アーティストアシスタント)

パフォーマンス映像監修:辻󠄀本知彦(ダンサー・振付家)

トレーラー映像
アクセシビリティ:バリアフリー日本語字幕、英語字幕
配信:THEATRE for ALL

パフォーマンス映像
アクセシビリティ:英語字幕・バリアフリー字幕
配信:THEATRE for ALL、森美術館ウェブサイト内「MAMデジタル

ドキュメンタリー映像(バリアフリー版)
アクセシビリティ:日本語字幕、英語字幕
配信:THEATRE for ALL

*このプログラムは、森美術館「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」の関連プログラムとして開催しました。

プロセス

■15〜22歳のユース世代がプロフェッショナルと触れ合う機会

「アナザーエナジー展」関連プログラムとして同時期に行われたMeet the Artists「山本高之 イクトゥス」と共通した目的は、アーティストがイメージする世界を参加者と共有し、言葉では言い表せないさまざまな思いをその他の多様な方法で表現すること。そして、このプログラムの目的は、その思考過程を他者と協働することで「自分らしさ」を再発見し、それを大事にすることでした。また、コロナ禍で「学び」に制限がかかってしまっている若い世代を対象にすることも目的の1つとされました。

「ヒューマン・ビギン:アシタナニスル?」においては、ダンスを「表現ツール」として用いて作品にすること、多彩な専門性に触れ、自分らしい表現を探ることを目標に、ダンサー・振付家の辻󠄀本知彦氏、菅原小春氏にオファー。また、衣装・音楽監修の清水文太氏、プロ・フリークライマーや映像作家など、各分野のプロフェッショナルにご参加いただいたプログラムになりました。

ダンスは自分を表現するためのツールとし、参加者はダンス経験がなくても表現が好きな若者なら誰でも応募可能としました。多数の応募者の中から、ヒップホップ、コンテンポラリーダンス、日本舞踊、ダンス初体験と、様々なバックグラウンドを持つ9名の参加者が選ばれました。


撮影:田山達之 写真提供:森美術館

■豊かな”街”で自由に

活動の拠点となった森美術館をはじめ、六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズなど、街づくりに取り組む森ビルが運営する街の中で実施。「都会の中の自然」ともいえるさまざまな場所で、自由に語り合うワークショップになりました。複数の場所で活動を行うにあたり、多岐にわたる調整をしていただいた森ビル・タウンマネジメント事業部に感謝いたします。

「まちと美術館のプログラム」の、街をフィールドにしたラーニングというコンセプトに沿って、当初はライブで作品を発表することも検討されていましたが、新型コロナウィルスの影響もあり、ドキュメンタリーも含めた映像作品を制作し、バリアフリー日本語字幕・英語字幕を付加した映像も制作することになりました。


[左]撮影:田山達之 写真提供:森美術館 [右]撮影:参加者

成果

■「自分らしさ」の発見による成長

このプログラムでは、ジェンダーも包括した「自分らしさ」について考えを深めていきましたが、「今まで家族や学校の友人などの身近な人たちとは話せなかったが、この場では話せた」という声も。自分を知ることで、他者の尊重にもつながったように思います。参加者同士、アーティストと過ごす時間が刺激になり、成長をもたらしたようです。

■過程こそが学び

このプログラムは、パフォーマンスの完成ではなく、「つくる過程」の経験を目的としたもの。辻󠄀本氏や菅原氏が内容を決めるのではなく、参加者が発するやりたいこと、必要と思うことを、参加者同士でディスカッションして決めていく、自分自身で決定していく形に。ぶつかり合いも多々あったものの、ワークをする中でそれぞれの役割が明確になって、スムーズに進むようになっていきました。

自分たちが決めて進めていく過程では、関わっている「大人」を動かしていく経験も。平山ユージ氏のクライミング体験など、ダンスとは別の身体の使い方を知ったりする機会や、年齢が近い清水文太氏という悩みに寄り添ってくれる存在からも影響を受けて、参加者が成長していく様子を見ることができました。

それぞれに悩み、対話を重ね、ときにはぶつかり合いながら自分らしい表現に向き合った濃密な時間と、パフォーマンスをつくり上げる過程は、THEATRE for ALLと森美術館ウェブサイト内「MAMデジタル」にて映像作品として公開されています。


[左]撮影:林哲郎 [右]撮影:田山達之 写真提供:森美術館

■美術館との協働

ダンス・演劇を手がけてきたprecogとラーニングにおいて実績のある森美術館とが役割を分担して進める協働になりました。森美術館の参加者への対応からは学びがたくさんありました。今後もprecogのネットワークを生かして、アーティストやアートに興味を持っている人たちに新しいフィールドを提供していきたいと思います。

ギャラリー

メディア掲載情報

プレスリリース

関連プロジェクト

関連@オンライン

クレジット

出演:
辻󠄀本知彦 ※「辻󠄀」のしんにょうは点1つ
菅原小春
長田知夏、粕谷美緒、金子美月、菊池杏佳、木越斎、田代 一裕、中村詩音、平山ひかる、百瀬莞那

映像・撮影: 渡邉寿岳
衣装・音楽監修 :清水文太
技術監修:河内崇
録音・整音 :中原楽(Luftzug)
監修アシスタント:児玉彩愛
衣装監修アシスタント:福士亜聖
録音アシスタント:稲荷森健

ワークショップ講師:平山ユージ

記録撮影:田山達之、林哲郎、むうみん

[バリアフリー映像]
バリアフリー日本語字幕 :坂本朋恵(文織工房)
英語字幕:森本優芽(Art Translators Collective)
映像編集:太田信吾

[パフォーマンス映像]
声の出演:ane

[ドキュメンタリー映像]
字幕映像編集:太田信吾

森美術館
アソシエイト・ラーニング・キュレーター:白木栄世
ラーニング・リーダー:高島純佳
ラーニング・リーダー:岡田真澄
アソシエイト・ラーニング・コーディネーター:横山佳世子
アソシエイト・ラーニング・コーディネーター:廣田真理子

森ビル株式会社
タウンマネジメント事業部:戸田麻衣子

株式会社precog
プロデューサー:中村茜
シニアプロデューサー:平岡久美
プロダクション・マネージャー:田澤瑞季
制作デスクチーフ:黄木多美子
制作デスク:佐藤瞳
バリアフリーコーディネート:兵藤茉衣
バリアフリー制作:谷津有佳
​​チーフ・アドミニストレーター:森田結香
SNS広報:宮崎淳子

主催:森美術館、森ビル株式会社、株式会社precog
企画:森ビル株式会社、森美術館ラーニング、株式会社precog
企画協力:日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS
助成 :⽇本財団、公益財団法⼈東京都歴史⽂化財団 アーツカウンシル東京
協力:Climb Park Base Camp