海外アーティスト集団による参加型プロジェクトの国際コラボレーション事業企画・制作とアクセシビリティ設計・運営

True Colors DIALOGUE ママリアン・ダイビング・リフレックス/ダレン・オドネル『私がこれまでに体験したセックスのすべて』

  • CATEGORY
  • イベント形態|パフォーマンス, フェスティバル, 参加型
  • precogの業務|アクセシビリティ/バリアフリー対応, イベント/公演制作, 国際交流, 広報・PR, 票券/客席デザイン
  • 表現分野|演劇
  • 開催年|2021

プロジェクト概要

日本財団主催「True Colors Festival – 超ダイバーシティ芸術祭 –」の公式プログラム「True Colors DIALGUE」として2019年に実施が決定された本作品は、カナダのアーティスト集団、ママリアン・ダイビング・リフレックスの参加型プロジェクト“All the Sex I’ve Ever Had”の日本オリジナル版の初制作・上演となりました。カナダよりママリアン・ダイビング・リフレックス(以下ママリアン)を招聘。公募で集まった60歳以上の出演者5人とママリアンらが1ヶ月間のワークショップを行い、それぞれの性体験から人生を振り返り、脚本を制作。2020年3月の上演は新型コロナウィルスの影響により直前での延期を余儀なくされ、2021年にようやく初演が実現しました。その後、「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2021 SPRING」と「True ColorsFestival」の公式プログラムとして、2021年3月・4月に京都・東京の2会場で上演しました。

precogは海外にいるママリアンのメンバーとオンライン上でコミュニケーションをとりながら公演を企画・制作しました。また、多様な観客に劇場へと足を運んでもらうため、英語通訳・字幕、舞台上手話通訳、音声ガイドなど様々な鑑賞サポートを企画・制作し、公演期間はアクセシブルな会場運営を担当。海外と日本をつなげるだけでなく、若者とシニア、さまざまなセクシャリティ・障害当事者など、多様なバックグラウンドを持つ人々の関わりを創出しました。

◼︎precogの業務
アクセシビリティ/バリアフリー対応, イベント/公演制作, 国際交流, 広報・PR, 票券/客席デザイン
◼︎プロジェクト期間
2020年2月〜2021年4月
◼︎プロジェクト体制
京都公演
KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2021 SPRING
ママリアン・ダイビング・リフレックス/ダレン・オドネル
私がこれまでに体験したセックスのすべて
主催: KYOTO EXPERIMENT
共催: 日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS、株式会社 precog
後援: カナダ大使館
助成: 文化庁文化芸術振興費補助金(国際芸術交流支援事業独立行政法人日本芸術文化振興会、一般財団法人地域創造 [IntergenerationalThinking-世代間の対話]
協力: 特定非営利活動法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク(TA-net)、バリアフリー映画鑑賞推進団体シティ・ライツ、合同会社Chupki
東京公演
True Colors Festival -超ダイバーシティ芸術祭 – 
True Colors DIALOGUE ママリアン・ダイビング・リフレックス/ダレン・オドネル『私がこれまでに体験したセックスのすべて』
主催:日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS、株式会社precog
後援:カナダ大使館
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
協力:特定非営利活動法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク(TA-net)、バリアフリー映画鑑賞推進団体シティ・ライツ、合同会社 Chupki、たなか舞台芸術スタジオ、KYOTO EXPERIMENT
会場協力:株式会社ワコールアートセンター
◼︎関連リンク
公式サイト:
京都 https://kyoto-ex.jp/shows/2021s-mammalian-diving-reflex-darren-odonnell/
東京 https://truecolorsfestival.com/jp/program/all-the-sex-i-ever-had-mammalian-diving-reflex-true-colors-dialogue/
◼︎アーカイブ記事
ママリアン・ダイビング・リフレックス/ダレン・オドネル『私がこれまでに体験したセックスのすべて』 京都公演 レポート|note
舞台手話通訳のクリエーションをひもとくーーママリアン・ダイビング・リフレックス/ダレン・オドネル『私がこれまでに体験したセックスのすべて』|note
体験を共有する——ママリアン・ダイビング・リフレックス/ダレン・オドネル『私がこれまでに体験したセックスのすべて』感想シェア会|note

作品概要

シニアたちが語る、笑って泣けるセックスと人生の物語。若者たちへエールを送るドキュメンタリー演劇

本公演では「セックスの話を聞かせてくれませんか?」の呼びかけで集まった、60歳以上の出演者5人とママリアンらが1ヶ月間に渡りワークショップとインタビューを行い、それぞれの性体験の個人史を振り返りながら、脚本を制作した。セックスについてのストーリーをきっかけに、障害、性など、多様なバックグラウンドのある人生経験豊富なシニアたちが、リアルな気持ちと自らの言葉で人生を語る。
本作では、シニアが体験した人生の物語を、学校では教えてくれない生きていくために大事な教科書として、若い世代に届ける。それは勇気の物語でありながら、同時にシニア世代と若者たちが繰り広げるのダイアローグ(対話)のはじまりとなるだろう。

プロセス

◼︎シニアの生き方を通して多様性を見る海外のプロジェクトを日本で

様々なバックボーンを持つシニアの「性」の話をもとに、彼らが生きてきた時代をたどる脚本を制作。超高齢化社会へ向かう若い世代の観客に対して、世代間の意識の違いを超えた生きることへの共感や普遍的な対話の機会を創出しようと、この作品の招聘を試みました。

◼︎出演者=全国公募で集まった60歳以上のシニアたちとの丁寧なコミュニケーション

一般のシニアであるキャストと海外の演出チームによる制作であることに加え、コロナ禍の影響によりリモートでの演出を行うという状況ではありましたが、日英通訳を充実させ、日本のキャストと制作チーム、カナダの演出家チームで血の通ったコミュニケーションを可能にすることで、準備も円滑に進めることができました。

◼︎アクセシビリティの充実のための企画・制作・運営

車椅子利用者・補助犬利用者・視聴覚障害者・聴覚障害者など、多様な方々に開かれた公演を目指し、precogが作品や劇場へのアクセシビリティを高める企画を提案しました。

◉舞台上の手話通訳・日本語字幕の表示
音が聞こえない方、聞き取りにくい方のために、舞台上の手話通訳・字幕表示を企画。作品の台詞の手話通訳だけでなく、作品の途中で挟まれる観客への質問コーナーでも手話通訳を入れました。手話で質問コーナーに参加してくれた観客にも通訳を行いました。
また、観客への質問コーナーではUDCastを使用して、リアルタイムで言葉を聞き取り、字幕を表示しました。

舞台を見ながら操作している字幕オペレーター

▷note 舞台手話通訳のクリエーションをひもとくーーママリアン・ダイビング・リフレックス/ダレン・オドネル『私がこれまでに体験したセックスのすべて』

◉舞台上の英語通訳・英語字幕の表示
ママリアンのつなぎ役として舞台上の英語通訳を企画。観客への質問コーナーでは、オンラインでつながるママリアンのメンバーの言葉を翻訳して観客に伝えました。
また、作中は英語字幕を表示し、日本語がわからない観客にも作品の内容を伝えられるよう企画しました。

手話通訳、英語通訳のお二人 オンラインで会場と海外をつないで上演している様子

◉音声ガイド貸出
目が見えない方も作品を楽しめる音声ガイドの貸出を企画。作品の途中で観客への質問コーナーがあるため、事前録音ではなく、リアルタイムでの音声ガイドを実施。どんな環境で上演が行われているのかを感じてもらえるよう、上演前には会場やセットの様子もガイドしました。

音声ガイド貸し出しの様子 貸出コーナーの音声ガイド機

◼︎参加型イベントやアーカイブ企画

◉観賞後の出演者と観客の対話
“All the Sex I’ve Ever Had”の特徴の一つでもある出演者と観客との交流の場づくりを、感染症対策に留意した上で実施。ロビーに出演者各1台のテーブルを置き、公演中の話題に繋がる思い出の写真やアイテムを並べたアーカイブスペースを設置。東京公演では、終演後にそのテーブルを囲み、人数限定で出演者と鑑賞者のトークタイムを実施しました。

アーカイブスペースを囲んで対話する観客と出演者 オンラインで会話する観客と通訳者、通訳者が持つタブレットに映るダレン・オドネル

◉当事者や関係者へのインタビューや感想シェア会
鑑賞サポートを利用して作品を鑑賞した当事者の方々や上演に関わった方々へのインタビューや感想シェア会を実施。また、手話通訳を担当していただいた「TA-net」の定例会にも参加して、意見をヒアリングしました。よりよい鑑賞サポートの提供につなげていきます。

TA-netの定例会で行なわれた感想シェア会の様子 オンラインで行われた感想シェア会の様子

▷note 体験を共有する——ママリアン・ダイビング・リフレックス/ダレン・オドネル『私がこれまでに体験したセックスのすべて』感想シェア会

成果

◼︎一般公募で出会ったシニアと海外アーティスト集団と共に制作したドキュメンタリー演劇公演をコロナ禍を経て実現

創作から1年を経ての上演となりましたが、オンライン体制を整えることで、ママリアン及びスタッフは2020年時と同じ顔ぶれで作品を作ることができ、作品クオリティを高めることができました。制約がある中での演出の成功は、コロナ禍での新しい演劇演出の先例となったと自負しています。

◼︎舞台作品と融合した、鑑賞補助に留まらないアクセシビリティを創出

舞台上手話通訳、音声ガイドなど、他国でのママリアンの公演では実施したことがなかった情報保障を実現。アーティストからは「手話通訳があることで多様な観客層につながり、作品がより良いものになった」という感想がありました。

◼︎多様な観客層の創出

充実したアクセシビリティにより、普段演劇を見ない方、車椅子ユーザーや手話通訳を必要とする方、外国語話者など、多様な観客層の来場につながりました。

ギャラリー

広報制作物

メディア掲載情報

プレスリリース

関連プロジェクト

クレジット

演出・脚本:ママリアン・ダイビング・リフレックス / ダレン・オドネル
制作・脚本:アナリス・プロドア、ライアン・ルイス
制作インターン・脚本:キャシー・ヴー
環境デザイン・技術指導:アリス・フレミング、クリスチャン・ホロシュチャク
脚本アシスタント:ナワン・ラディン

出演:千葉、富山、兵庫、宮城、東京出身のシニア

サウンドデザイナー / 司会:入江陽
通訳・翻訳、字幕製作:Art Translators Collective(相磯展子、田村かのこ、水野響、山田カイル)
舞台監督:原口佳子
演出部:清水義幸、杉田健介
照明:木藤歩
音響:浮岳厚
映像・字幕投影:内田圭

舞台手話マネージャー:廣川麻子
舞台手話通訳:加藤裕子、橋本一郎、水野里香
舞台手話監修:河合依子、河合祐三子
舞台手話通訳アシスタント:下坂幸恵、水藤みつみ、高田美香
音声ガイド:彩木香里
字幕オペレーター:田澤瑞季

プロジェクト・コーディネーター:野崎美樹
アクセシビリティ・コーディネーター:田中みゆき
メインビジュアル撮影:大森克己
稽古場撮影:冨田了平

企画・制作:株式会社precog
ディレクター:中村茜
プロデューサー:黄木多美子
シニアプロデューサー:平岡久美
チーフ・アドミニストレーター:森田結香
プロジェクト・マネージャー:佐藤瞳

アシスタント・プロジェクト・マネージャー:瀬藤朋
インターン:下門菜々、植田悠、岡澤由佳
アクセシビリティ・プロデューサー:兵藤茉衣
アクセシビリティ・マネージャー:谷津有佳
アクセシビリティ・制作アシスタント:林芽生

広報:村上晴香
広報デスク:北堀あすみ、田井中未来
票券:宍戸円

特別協力:上田假奈代、大塚隆史、鈴木拓、高木達也、武田知也、林朋子、中原楽、臼井隆志、岡本健、菊地みぎわ、鈴木真子、中島梨乃

*本公演はカナダ・カウンシルとオンタリオ・アーツカウンシル・ツアープログラムからの助成を受けて実施しています。